誰でも、思い出の品というのは手放しにくいものですよね。
今回は、そんな思い出の品、「小学校のランドセル」をリメイクしたお話です。
ご相談は、お母様から寄せられました。
6年間、子供と一緒に成長をしてきたかのような、あるいは親御さんと一緒に、子供を見守ってきたかのようなランドセルは、捨てるに捨てられない思い出の品なのでしょう。
オーダーは、「子供がこれから先も使っていけるような品物」に生まれ変わらせることでした。
◆まず解体
かぶせの部分が合皮製のランドセルでしたが、解体してみると、6年もの間、雨にも風にも時には椅子代わりにされたりしても負けず壊れず使い尽くされることを想定して作られているだけあって、かなりの堅牢性を誇る素材でした。
また、このランドセルには目立つ傷がほんの数箇所しかなく、椅子代わりどころではなく、とても丁寧に扱われていたことがうかがわれました。
◆裁断
今回は小物を3点作るので、素材の面積に比べてパーツの数が多いのです。
歩止まりをパズルのように考えて素材を裁断しましたが、どうしても取れない部分については、雰囲気の合う牛革で補いました。
◆縫製とコバ処理など色々して完成
通学用のパスケース、500円玉の入るキーホルダー、キーケースの3点の完成です。
画像ではわかりませんが、わざと傷のある部分を使用して、6年間の思い出が、持ち主をこれからも支えてくれるように、演出を加えました。
お母様のアイデア。500円玉が入れられます。 |
◆雑感
ランドセル用の合皮の耐久性には驚かされました。持ち主とともに6年間の艱難辛苦邪智暴虐(いやいや)の数々を乗り越えてもなお、新品のような作業性、そして外観。
古いカバンだと、内袋が合皮でボロボロになったりするのをよく修理しますが、そんな気配は微塵もありませんでした。
これからも、今までの6年間と変わらず、いつもそばで持ち主の成長を見守っていってほしいのものですね。
◆リメイク、修理のご相談などお気軽にどうぞ
捨てられなくて困っているものや、しまいこんだままのカバンや靴など、もしかしたら生まれ変わるかもしれません。
ご相談は、お気軽にどうぞ。ご予算に合わせたご提案もがんばります。
(石川)