2017年10月28日土曜日

かごをアレンジ2

かごをアレンジの、よりフォトジェニックな姿をご覧にいれましょう。
若い奥様から、冬に向けて、かごのバスケットを毛皮でアレンジしたいとのご依頼を頂きました。

















今回は、お客様お持ち込みの毛皮を使用しました。
顔部分が残っているのが生々しいですが、気持ち悪がっていては失われた命に失礼です。素敵な品物に生まれ変わって頂いて、手向けといたしましょう。


















適当な大きさに裁断し、黒の裏地を縫製していきます。
毛皮は毛足があるので、それを生かそうとすると寸法通りに作るのはなかなか難しいです。今回は裏地を袋状に縫製して、ひっくり返す方法を選びました。
















ひっくり返して、内側に閉じ込められた毛をほじって外に出していきます。

















かごの持ち手部分に接続するためのベルトと、革ひもを装着。
裏地の中にちょっとしたものを入れてもいいように、縫製で完全にふさがずにボタンでポケットにしてみました。

















完成!
涼しげなバスケットが、なかなかおしゃれな冬用バッグに変身しました。毛皮は簡単に取り外せるので、一年中お使い頂けるものです。

持ち手部分の革は、先に手縫いで縫いつけておいたものです。
















反対側。ベルトは先端を切り込み、クロスさせて止めることでリボンのような可愛らしさを出してみました。

開けるとこんな感じです

















私は納品に立ち会えなかったのですが、とても喜んで頂いたようです。
インスタグラムとかにアップして頂いたりしてるのでしょうか。それはそれで嬉しいですが。
(石川)

2017年10月14日土曜日

かごをアレンジ

こんにちは。

作ったり修理したりリメイクしたりと、色々やっている我ら二天一流総本舗ですが、お持ちの品物にちょっとしたアレンジを加えることも承っています。

例えば、よくご注文を頂くものではこちら。
















トウやタケやシラカバなど、植物で編んだかごの入れ物は、持ち手がささくれたりしますね。そんな持ち手には、革を縫い付けてしまいましょう。
















以前クラシックカーのハンドルカバーなどをやりましたが、それと要領は同じです。一目一目穴を穿って、手縫いで縫っていきます。
















ご希望の通りに仕上がりました。
お客様は黒がお好きだとのことでしたが、ベージュのステッチが本体の色と合わせてあって、可愛らしいアクセントになりました。

かばんやくつだけでなく、インテリアやエクステリア、例えばドアノブに革を縫い付けた例もあります。冬の鉄門扉が冷たい……というようなお悩みも、オシャレに解決できるかもしれませんね。できるかどうかは応相談ですが、お気軽にどうぞ!

(石川)

2017年10月7日土曜日

コードバンの輝き

こんにちは。

革にも色々な種類がありますが、高級革の代名詞とも言えるものに「コードバン」があります。
コードバンは馬革です。馬革の大部分は牛革に比べて繊維がゆるくて柔らかいのですが、馬のお尻の部分に繊維が非常に密になっている場所があり、硬質に美しく輝く革「コードバン」になります。
馬であればなんでもいいわけではなく、限られた欧州の農耕馬(代用馬もあるようですが)からのみ取れるということで、希少性もあり、また「革の宝石」とも言われる美しさから、通常流通している牛革などと比べてかなり高値で取引されています。




こちらはコードバンでご注文を頂いた、とある小物の製作途中のものです。

革の存在感が全然違うので、ついうっとり眺めてしまいます。
なかなか扱う機会がないもので、裁断からミシンがけまでいつも以上に緊張しましたが、運もよかったのか、かなり精度の高いステッチを入れることができました。

今は、納品棚でお客様が迎えに来るのを待っているところです。
私もお渡しできる日が楽しみです。

(石川)